○土地の相続を知った日から3年以内の相続登記申請を義務化 ⇒申請しなければ10万円以下の過料を科す
但し法務局の登記官から催告されても正当な理由がなく申請がされていない場合に限られる。
過料は国民に相続登記が義務になるという認識を高めてもらうのが目的
催告される前に速やかに申請をお願いいたします。
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○住所変更後2年以内の変更登記申請を義務化 ⇒怠ると5万円以下の過料を科す ○他の公的機関から取得した情報に基づき、登記官が職権的に変更登記をする新たな方策も導入する。 ⇒転居や本店移転などに伴う住所等の変更が簡便な手続きで登記に反映される。
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【自然人(人)の場合】 ①登記申請の際には氏名 住所の他生年月日等の検索用情報の申し出を行う。 ②登記官が検索用情報等を用いて住民基本台帳ネットワークシステムに対して照会し所有権の登記名義人の氏名・住所等の異動情報を取得する。 ③登記官が取得した情報に基づき登記名義人に住所等の変更の登記をすることについて確認をとった上で変更の登記をする。 【法人の場合】 ①法人が所有権の登記名義人となっている不動産について、会社法人土地番号を登記事項に追加する。 ②法人・商業登記システムから不動産登記システムに対し、名称や住所を変更した法人の情報を通知する。 ③取得した情報に基づき、登記官が変更の登記をする。
○所有者不明土地 建物の管理制度の創設 所有者が特定できない土地の管理人を裁判所が選任する制度を創設 ⇒裁判所が所有者を特定できない土地の管理人を選び、所有者に代わって管理や売却(裁判所の許可があればの場合) を行う ○管理不全土地 建物の管理制度の創設 ⇒所有者が土地 建物を管理せず、これを放置していることで他人の権利が侵害される恐れがある場合に管理人も 選任を可能にする制度も創設
不明共有者がいても共有物の利用 処分を円滑に進めることが可能となる。
長期間放置された後の遺産分割では具体的相続分に関する証拠等が散逸して共有状態の解消が難しくなる。
相続開始から10年を経過したときは個別案件ごとに異なる具体的相続分による分割の利益を消滅させ画一的な法廷相続分で簡明に遺産分割を行う仕組みを創設する。
⇒遺産分割の長期未了状態の解消を促進する。
相隣関係規定の見直し。 ライフラインを自己の土地に引き込むための導管等のせつびを他人の土地の設置する権利を明確化し、隣地所有者不明状態にも対応できる仕組みも整備する。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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これまで自筆しか認められていなかった財産目録がパソコン等で作成したものも認められるようになります。 但し、偽造防止の為、全てのページに自筆の署名と押印が必要になります。 |
これまで自筆証書遺言を保管するのは自宅か金融機関や弁護士、司法書士などへの依頼が大半でしたが全国の法務局で保管してもらえるようになります。 相続人が遺言の存在を簡単に調べられるようになります。 但し、こちらの施行が2020年07月10日からになりますので施行までの保管にはご注意ください。 |
これまでは遺言執行者の地位について《相続人の代理人とみなす》とする規定があるだけで明確ではありませんでした。 その為、遺言執行者と相続人との間でトラブルが生じることもあり、それは遺言執行者の法的地位、その権限内容が明確になってないのがひとつの原因ではないかと思われました。 そこで今回の遺言執行者の権限を明確化するための改正が行われました。 |
配偶者は相続開始の時に被相続人所有の建物に無償で居住していた場合には遺産分割が終了する日又は相続開始の時から6ヶ月を経過する日のいずれか遅い日までの間引き続き無償でしようすることができます。 また相続開始の時に配偶者が被相続人所有の建物に無償で居住していた場合 居住建物の所有権を取得した者はいつでも配偶者の対し配偶者短期居住権の消滅も申し入れをすることができますが、その申し入れを受けた日から6ヶ月間は配偶者は引き続き無償でその建物を使用することができるようになります。 |
相続開始時に配偶者が居住していた被相続人所有建物を対象として終身又は一定期間、配偶者にその使用又は収益を認める 配偶者居住権 という法定の権利を新設し遺産分割tにおける選択肢の一つとして配偶者に配偶者居住権を取得させることができるとした他被相続人が寄贈等によって配偶者の配偶者居住権を取得させることができることになりました。 |
配偶者短期居住権と配偶者居住権の異なるポイント |
亡くなった方が旦那様の場合 |
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配偶者(奥様)が被相続人(旦那様)の買った建物に相続開始時点で、無償で居住している必要があります。 その条件を満たしていれば6カ月間は、無条件かつ無償で住み続けられます。 |
配偶者短期居住権 |
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それ以降になると、遺産分割または遺贈あるいは裁判所の審判が必要になります。 |
配偶者居住権 |
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配偶者(奥様)が相続開始時に被相続人(旦那様)の建物に無償で居住している場合に、居住建物に無償で居住できる点は同じです。 |
配偶者短期居住権は、配偶者居住権と異なり、遺産分割や遺贈、家庭裁判所の審判がなくても認められるものです。 |
配偶者居住権の存続期間は最低6か月間ですが、配偶者居住権は、配偶者(奥様)の終身の間または遺産分割や遺言で認められた間認められます。 |
配偶者居住権は、登記制度があり 対抗要件・妨害排除請求権がありますが、配偶者短期居住権にはこれらの権利はありません。 |
配偶者居住権の登記が必要になる場合 |
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配偶者居住権を取得した配偶者が居住建物の所有者でない場合、登記する必要があります。 |
登記していれば、仮に所有者が第三者に居住建物を売却した場合でも第三者に対抗できます。 |
また、第三者が建物の使用を妨害する場合には、妨害排除請求権を行使できるようになります。 |
2016年12月19日の最高裁判所判決により、それまで法律が定めていた一定の相続割合に応じて自動的に振り分けられるとされていた預貯金が遺産分割の対象に含まれることが明確化されました。 それにより遺産分割協議が成立するまでは預貯金の払い戻しが出来なくなりました。 最高裁が過去の判例を変更してしまったのです。 残された家族は預貯金を引き出すことが難しくなり色々と掛かる費用に対応出来なくなってしまいます。 そこで今回の改正では遺産分割協議が終わる前でも葬儀費用や生活費の支払いの為故人の預貯金を引き出すことができるようにしました。 |
各相続人は被相続人の預貯金のうち相続開始の預貯金の3分の1に 各相続人の法定相続分を乗じた額までは遺産分割協議をしなくても払い戻しを受けることが認められました。 但し各金融機関から払い戻しを受けれる上限額があります。 1つの金融機関ごとに150万円です。 なので預貯金を複数の金融機関にて分散するなどの対策も考えられるでしょう。 相続人が払い戻しを受けた預貯金については相続人の遺産の一部を分割にて取得したものとみなされます。 |
家庭裁判所に遺産分割の調停、審判を申し立て遺産である預貯金の全部又は一部を特定の相続人に仮に取得させる旨の決定をしてもらう方法です。 この方法は預貯金の3分の1に相続分を乗じた額という制限はありません。 金融機関における上限150万円という制限もありません。但し時間と手間がかかります。 緊急の場合は間に合わないこともあり得るかもしれません。 その際は上限150万円の払い戻しを活用することになるかと思います。 |
相続が開始し、預金口座の名義人が亡くなったことを金融機関が把握すると、口座が凍結して引き出すことも入金することもできなくなります。 上記にて明記しました仮払いの権利を駆使する方法もありますが凍結された口座の預金を引き出す手続きもとれます。 但し、手続きに日数がかかる可能性があり必要な書類や金融機関により手続きが違うこともあります。 |
たとえば義理の父親と同居し長くにわたり介護していた長男の嫁。 義理の父が亡くなった場合にはどれほどの遺産が残されるのか。 答え=嫁には何も残されない「息子の嫁」など想定しない。というのが今の制度です。 長男の嫁は相続人でない為寄与分をもらう権利がありません。つまり介護でいくら大変な思いをしても報われないのです。 そこで、相続人以外の親族が介護などをした場合、相続する権利がなくても相続人に金銭を請求することができるようになりました。 支払い額は当事者間の協議で決めますが合意ができなければ家庭裁判所に決めてもらえます。 この場合の親族は6親等以内「いとこの孫ら」の血族と3親等以内「甥や姪」の血族の配偶者が対象です。 事実婚や内縁など戸籍上の親族ではない人は請求できません。 2019年07月01日施行 |
遺留分制度の見直し 2019年07月01日施行 |