遺産分割協議 遺産分割協議書とは

不動産などの財産は相続があったと同時にその相続財産の分割がきまるまで法定相続人の共有になります。

 遺言書がある場合

その遺言に従います。 遺言による遺産分割方法は遺産分割協議よりも優先されます。

 遺言書がない場合

法定相続人全員で話し合い分割方法を定めることになります。
法定相続人を一人でも欠いた遺産分割協議は無効となります。
法定相続人に未成年者や制限能力者のいる場合は法定後見人や特別代理人を交え遺産分割協議をする必要があります。
法定相続人全員が同意する遺産分割が定められない場合は家庭裁判所に調停審判を求めることになります。

この話し合うことを遺産分割協議といい協議内容を文書にしたものを遺産分割協議書といいます。

法定相続人は話し合いの基準とはなりますが法定相続分にとらわれる必要はありません。

遺産分割協議書は亡くなった人の不動産を相続人名義に変更するときに必要となります。

特別受益 

相続人のなかに被相続人から婚姻・養子縁組の為、又は生計の資本として贈与を受けた人がいる場合それらの贈与の金額を資産に含めて相続分を計算すること。

 寄与分

相続人のなかに被相続人の事業を手助けするなど財産の増加・維持などの特別の寄与があったと考えられる人がいる場合その人の業績とみなされる部分を除いて相続分を計算すること。


 分割方法

現物分割
例えば自宅を長男に、マンションを次男になど、相続財産を現状のまま分割する方法です。

換価分割
例えば財産が自宅だけでそれを子供二人で分割使用とする場合に自宅を売却して代金を分割する方法です。

代償分割
相続人の一人が自宅の一部に住んでおり簡単には売却できない状況の場合、
相続人の一人が自宅を相続し、その代わりに相続人固有の財産から他の相続人に現金などの補償金を支払う方法です。
現物分割では合意が得られない事もある遺産のほとんどが自宅や事業用の土地 建物であるケースの場合に有効な方法です。


★対策方法★

例えば、生命保険を利用して代償分割に備える方法を検討してみる。生命保険の非課税枠(500万円x法定相続人の数)
但し遺留分滅殺請求の権利を有することにも注意が必要な為、遺言などでの対策を弊所に是非ご相談ください


 遺産分割協議が相続税の申告期限内に決まらない場合

民法で規定する相続分により取得する財産と承継する債務の金額を計算し申告をします。
後日、分割協議が終わり次第に申告することになります。

  • 決定後、一回目の申告時より税金が多くでた場合
修正申告書を提出し、税金を納付してください。

  • 決定後、一回目の申告より税金が減った場合
更正の請求を提出し、一回目に多く払った税金を還付してもらいます。

  • 相続税の申告内容の訂正
遺産分割協議が相続税の申告期限(10か月)までに決まらない場合に相続税の計算上不利になるこがあります。

1.配偶者控の税額軽減の特例の適用が受けれない。

配偶者の相続分が法定相続分《又は1億6000万円のどちらか多い方の金額》以下である場合には配偶者に相続税はかかりません。

2.小規模宅地の評価減の特例の適用が受けれない。

  • 特定居住用宅地⇒マイホームの敷地とされている土地の価額を80%減額する特例です。
  • 特定事業用宅地⇒事業に使用している土地の価額を80%減額する特例です。
それぞれ要件がありますのでご確認ください。

3.物納することができない。

納税資金がない場合、相続財産そのもので相続税を支払うことです。
遺産が未分割の場合、相続人全員の共有財産とみなされ、その共有者全員が持分の全部を物納する場合でなければ物納することができません。

4.農地の納税猶予の特例の適用が受けれない。

その場合には相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込み書」を添付して提出しておき相続税の申告期限3年以内に分割された場合には1.2の
適用はさかのぼり受けることができます。

相続財産を譲渡した場合に相続税額を取得費に加算する特例

相続や遺贈により取得した土地などを相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却した場合には譲渡所得税を軽減するための特例を受けることができます。